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後陣痛の痛みが強いときは痛み止め飲まない方がいい?痛みを和らげる方法も紹介

出産後の後陣痛について「痛くて眠れないため、痛み止めを飲んで良いか知りたい」「痛み止めは赤ちゃんに影響があるのではと心配」という方もいるでしょう。後陣痛は分娩が終わってから、妊娠前の状態に戻るまでの期間のことで、数日かけて徐々に治るのが一般的です。ただし、痛みの程度は一人ひとり異なることから、痛みが強い方もいます。

この記事では、後陣痛の痛みが強くても痛み止めを飲まない方がいいのか、痛み止め以外の痛みを和らげる方法・後陣痛ではない痛みなどを解説します。後陣痛の痛みが強い人の特徴も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

後陣痛の痛みが強いときは痛み止めを飲まない方がいい?

出産後は薬が母乳に含まれる量は非常に少ないとされているため、痛みの程度が強い場合は、痛み止めを服用することが可能です。ただし、自身で判断して市販薬を服用するのは避けて、医師に相談することが重要です。

入院中に痛みが強い場合は、医師や看護師に相談することで、痛み止めを処方してもらえるでしょう。退院時にも後陣痛がみられる場合は、授乳中に服用しても影響のない痛み止めを処方してもらえます。

後陣痛に対しては、鎮痛作用と子宮収縮抑制作用を有しているロキソニンが処方されることが多いですが、効果が十分に感じられない場合はボルタレンが処方されることもあります。

そもそも後陣痛とは

後陣痛とは、子宮が妊娠前の大きさに戻ろうとする子宮収縮による痛みのことです。出産時には35cm程度の大きさになっている子宮が、妊娠する前の拳ほどの大きさに戻るための自然な現象となっています。陣痛に似た痛みであることから、後陣痛と呼ばれています。

後陣痛は胎盤を娩出した後からみられますが、子宮収縮をすることで出血を止める役割を担っています。経膣分娩だけではなく、帝王切開で赤ちゃんを出産した場合も麻酔が切れた後に後陣痛がみられるのが一般的です。

後陣痛の痛みの程度・痛みを感じる期間

後陣痛の痛みの程度は、陣痛よりも弱い痛みである方もいれば、本陣痛に近い痛みを感じる方もいます。また、以下のように例える方もいます。

  • 生理痛に近い痛み
  • お腹がギューッと締め付けられるような痛み
  • 筋肉痛のような痛み

後陣痛の痛みは、一人ひとり程度が異なるのが特徴です。出産当日〜産後3日目がピークとなっており、その後は徐々に収まっていきますが、人によっては数週間続く方もいます。

後陣痛の痛みが強い人の特徴

以下に当てはまる方は、後陣痛の痛みが強い傾向にあります。

  • 経産婦の人
  • 授乳している人
  • 子宮収縮薬を使用した人
  • 多胎妊娠や羊水過多の人

それぞれ詳しく解説します。

経産婦の人

経産婦の方は、初産婦の方よりも痛みの程度が強い傾向にあります。その理由として、初産婦の方よりも子宮が大きくなりやすいことや子宮収縮の速度が早いこと、子宮が収縮する力が強いことが挙げられます。

授乳している人

授乳している方は、授乳していない方と比べて痛みの程度が強い傾向にあります。授乳時に乳頭が刺激されると、オキシトシンが分泌されるのが理由です。

オキシトシンは子宮収縮を促進させるホルモンのため、授乳している方は痛みの程度が強くなるケースが見受けられます。

子宮収縮薬を使用した人

出産後に出血が止まらないなどの理由で、子宮収縮薬が投与されることがありますが、薬の作用により痛みを強く感じる傾向にあります。

子宮収縮薬は出産後に出血が止まらないほかにも、多胎妊娠や帝王切開・分娩時に出血が多い場合に用いられます。

多胎妊娠や羊水過多の人

多胎妊娠や妊娠中に羊水過多と診断された方、赤ちゃんが大きかった方は、子宮が他の方よりも大きくなっているため、後陣痛を強く感じやすくなっています。

人によっては、引っ張られるような痛みを感じる方もいます。

後陣痛の痛みを和らげる方法

後陣痛が辛い場合は、以下の方法を試してみてください。

  • お腹やお腹周辺を温める
  • 骨盤ベルトを着用する
  • マッサージをする
  • 痛みが和らぐ体制を見つける
  • リラックスする
  • 産褥体操をする
  • できる限り休む
  • ツボを押す

それぞれ詳しく解説します。

子宮周辺を温める

後陣痛が辛いときには、カイロや湯たんぽを使ったり湯船に浸かったりして子宮の周りを温めることで、痛みが和らぐ可能性があります。ただし、温めすぎると子宮が収縮する力が弱まり、出血が増える可能性もあるため注意が必要です。

産後は腹巻きを着用したり、暖かい素材の下着を着用したりして、普段から子宮周辺を温めるのがおすすめです。また、冷たい飲み物は体が冷える要因となるため、白湯などの暖かい飲み物を積極的に飲むと良いでしょう。

骨盤ベルトを着用する

産後は骨盤が広がってる状態であり、臓器が下がることから、骨盤の中で子宮が圧迫されて痛みを強く感じる方もいます。そのため、骨盤ベルトを着用するのも、後陣痛の痛みを和らげる1つの方法です。

ただし、骨盤ベルトは締め付ける力が強すぎるとお腹周りの血行不良を引き起こす可能性があるため、適度な力で装着することが大切です。

マッサージをする

後陣痛が辛いときには、痛みを感じる部位に手を当てて、優しく撫でたりさすったりするのも効果的です。マッサージは血行促進効果だけではなく、痛みによる体の緊張を緩和する効果も期待できます。

力が強過ぎるとさらに痛みを感じる可能性があることから、心地よいと感じる強さでマッサージをすることが重要です。

痛みが和らぐ体勢を見つける

後陣痛の痛みの程度が強い場合は、楽な体勢で過ごすことが重要です。痛みが和らぐ姿勢は一人ひとり異なることから、横向きになったりクッションや枕を抱えて体を丸める姿勢を取ったりして、痛みが和らぐ体勢を見つけましょう。

膝を曲げる・背中を丸めるなど、さまざまな体勢を試してみてください。

リラックスする

産後はまとまった睡眠時間が取れず、知らず識らずのうちに疲労が溜まっていたり、負担がかかっていたりします。身体への負担は回復を遅らせる要因となるため、できる限りリラックスをすることが重要です。

好きな映画やドラマをみる・音楽を聞いたりするなど、好きなことをするのも良いでしょう。

産褥体操をする

産褥体操は産後の回復を促す効果が期待できることから、積極的に取り入れるのが良いでしょう。横になったままできる腹式呼吸や胸式呼吸、足首や足先の体操・頭起こしなどを試してみてください。

ただし、帝王切開や会陰切開後の傷が痛む場合や体調が優れない場合は、無理をせずに休むことが重要です。

できる限り休む

産後は体が出産前の状態に戻っている時期のため、できる限り休むことが重要です。無理をすると回復が遅くなる恐れがあることから、1ヶ月程度は回復を優先させると良いでしょう。

産後は授乳の間隔が短く、おむつ交換などで思うように休める機会が少なくなりますが、休めるタイミングで休息を取ることが重要です。長時間の外出や激しい運動・重いものを運ぶ・ダイエットなども避けると安心です。

性行為に関しても、1ヶ月検診までは控えるのが良いとされています。しかし、会陰切開した方の中には、1ヶ月健診時に傷が完治しておらず、性行為の際に痛みを感じる方もいるため、再開のタイミングを見極めることが重要です。

後陣痛ではない痛みに注意しよう

後陣痛は産後数日がピークですが、1ヶ月検診の時期になっても痛みが続く場合は、以下の可能性が考えられます。

  • 子宮復古不全
  • 子宮内膜症
  • 産褥子宮付属器炎
  • 子宮傍結合組織炎
  • 子宮筋層炎
  • 卵巣嚢腫など

痛みの程度が強く悪露が続いている場合や、発熱や全身の嫌悪感・腹痛などがみられる場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。

まとめ

後陣痛は、産後に子宮が元の大きさに戻ろうとする子宮収縮による痛みです。経産婦や授乳している方、子宮収縮薬を使用している方・多胎妊娠や羊水過多の方は、痛みの程度が強い傾向にあります。

後陣痛は痛み止めを服用できますが、自己判断での市販薬の服用は避けて、医師や看護師に相談することが重要です。痛みが強い場合は、子宮周辺を温めるほか、骨盤ベルトの着用・マッサージ・痛みが和らぐ体勢で過ごす・産褥体操を取り入れてみてください。

ただし、後陣痛が1ヶ月検診近くになっても続く場合は、子宮復古不全や子宮内膜症などを患っている可能性があります。痛みの程度が強い・悪露が続いている・発熱がみられるなど、普段と違う症状がみられる場合は、かかりつけの医師に相談することが重要です。

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