MENU

無痛分娩の産医科や助産師は特別なの?産院選びのコツなども紹介

「無痛分娩が選べる産院が少ないけど、担当する産科医や助産師ってなにか特別なの?」と疑問に思う人もいるでしょう。

無痛分娩に関わる産科医や助産師などの医療スタッフは、定期的に研修を受けるなど、専門的な知識をアップデートすることが推奨されています。また、無痛分娩ができる産院が少ないのは人手不足が一番の原因です。

今回は、無痛分娩に関わる医療スタッフについてや、無痛分娩が広がらない理由、産院を選ぶ時のポイントなどを紹介します。自分に合った産院を選ぶためにも、ぜひ参考にしてみてください。

目次

無痛分娩に関わる産科医や助産師は定期的な研修を受ける

無痛分娩は麻酔薬を使うため、産科医や麻酔科医、助産師や看護師といった分娩に関わる人は、無痛分娩特有の知識を保有していなければいけません。

そのため、無痛分娩に関わる医療スタッフは、2年に1度は最新知識のアップデートをするための研修を受けることが推奨されています。

無痛分娩に関わる医療スタッフの特徴について、紹介します。

2年に1回は研修を受けている

2017年に厚生労働省から、無痛分娩を安全に提供するために産科麻酔に関わる医療スタッフは知識のアップデートをするために研修体制を整えるように提言がありました。その結果、関係学会や団体は無痛分娩の最新知識を更新するための講習会を開いています。

そして無痛分娩に関わる医療スタッフは、無痛分娩に関する研修を2年に1回受講する体制が整いました。

現在では無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)で、産科医・麻酔科医・助産師・看護師向けに講習会をWebで行っています。

参照:厚生労働省「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」

安全な無痛分娩のために日々研鑽している

日本ではまだ広く普及していない無痛分娩ですが、取り扱う産院は近年増えています。

無痛分娩は麻酔を使うため、産科医や麻酔科医はもちろん、母親のケアをする助産師や看護師は、自然分娩時とは違うケア方法を考えて実践するなど、日々研鑽を続けています。

特に麻酔は人によって効きやすさが異なるため、ケアに関しては経験や知識が不可欠です。安全によりストレスを減らしながら出産をしてもらうために、医療スタッフは一丸となって取り組んでいます。

無痛分娩を取り扱う産院が少ない理由

欧米では無痛分娩はスタンダードな出産方法ですが、日本ではまだ少ないです。日本では個人の産院が多く、無痛分娩の体制を整えられない施設が多いのも事実です。

ここでは、無痛分娩を扱う産院が少ない理由について解説します。

麻酔科医の確保が難しい

麻酔を担当する麻酔科医は、日本では少ないです。そのうえで、産科麻酔に特化した麻酔科医はさらに少なくなります。

無痛分娩のための麻酔の管理をする麻酔科医の確保がとても困難で、無痛分娩が広がらない原因といえるでしょう。

現状では、麻酔科医ではなく産科麻酔の知識がある産科医が、麻酔管理を兼任するケースが多いです。しかしかなり産科医に負担がかかります。

無痛分娩中は母体の様子などを都度チェックしながら、麻酔の効きなどを確認しなければいけません。産科医は分娩の進行具合の確認など全体も把握しなければならず、分娩が複数重なった場合は対応が難しいのです。

麻酔科医以外の人手不足

無痛分娩は麻酔科医不足だけでなくその他の医療スタッフの人手不足も、広がらない原因といえるでしょう。

無痛分娩は麻酔をするため、母体や赤ちゃんの状態を医師だけでなく、助産師や看護師も通常より確認するなど人手がさらに必要になります。

無痛分娩に関する知識は研修などを行いますが、その知識を有した医療スタッフの確保が困難なのです。

費用が高い

無痛分娩は基本的に自由診療になるので、全額負担になる場合が多いです。

だいたいの費用は、自然分娩費+15〜20万円で高額になります。補助金である出産一時金の50万円を引いても、数十万円の高額の支払いが必要なケースがほとんどです。

出産費用が高すぎて、無痛分娩を選択肢から外す人もいます。

根強い昔の価値観

日本では昔から「陣痛の痛さを乗り越えてこそ母親」「陣痛の痛みに耐えたからこそ我が子に愛情が持てる」などの価値観があります。

その古い価値観のせいで、「無痛分娩は楽をしている」など、偏った見方があることは確かです。

しかし、自然分娩・無痛分娩は関係なく、出産自体命がけのものです。出産の痛みは壮絶で、人によっては体力を使いすぎて、産後起き上がることもできない場合もあります。

最近では妊婦のメンタルや体のケアのために、無痛分娩への理解も増えてきています。

無痛分娩を選ぶ時の7つのポイント

無痛分娩を選ぶポイントはいくつかあります。

自然分娩とはまた違った確認ポイントもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

家から通える範囲にあるか

実際に出産をする産院からは、家から通える範囲で選ぶのが基本です。

無痛分娩を取り扱う産院は少ないので、通える範囲で選ぶことができない場合があるでしょう。しかし、無痛分娩をしたいからといって、家から1時間以上離れたところにある産院はおすすめできません。

妊娠中は何があるかわからないので、突然破水したなどの緊急時に処置が遅れないためにも、自宅から1時間以内で行ける産院を選んでください。

無痛分娩の実績が多い

無痛分娩を取り扱う産院では、情報提供のために無痛分娩の実績や出産時の流れなどを公表することが、厚生労働省から提言されています。

そのため、無痛分娩の実績や麻酔科医の勤務体系など、積極的にWebサイト上に公開している産院は多いです。

実績が多ければそれだけ経験が多いということで、なにかあっても冷静に迅速に対応してくれるスキルが上がっているといえます。経験豊富な産院の方が、安心して出産をフォローしてくれるといえるでしょう。

できれば24時間365日対応可能

産院によって、無痛分娩が24時間365日いつでも対応可能だったり、平日の日中しかできなかったりといった特徴があります。平日の日中しか対応できない産院は意外と多いです。その理由は麻酔科医が少ないため、勤務外の夜間は対応できないからです。

一方24時間365日いつでも対応可能な産院は、麻酔科医が複数人常勤しているなど、スタッフが充実していると言えるでしょう。

夜間に陣痛がくることは良くあることなので、できればいつでも無痛分娩可能な産院を選ぶと安心できます。当院は3人の麻酔科医が常勤しているため、24時間365日いつでも無痛分娩に対応可能です。

妊婦への教育に力を入れている

無痛分娩への知識は医療スタッフだけでなく、妊婦本人へも必要です。多くの産院では無痛分娩に関することを、説明会を開いて妊婦やその家族に知識を共有してもらっています。

無痛分娩は麻酔を使うため、どうしても副作用などのリスクがあります。妊婦や家族への教育に力を入れている産院は、疑問にも丁寧に答えてくれる姿勢が感じられ、不安要素を減らして出産に臨めるでしょう。

費用が予算内に収まるか

無痛分娩は自由診療のため、自然分娩費+15〜20万円程度費用が必要です。出産だけでなく、その後の赤ちゃんの世話でもお金がかかります。そのため、無痛分娩をしたいなら費用が払えるかも、しっかり確認が必要です。

産院によって無痛分娩費は異なるので、確認してみると良いでしょう。

実際の産院の雰囲気

産院内やスタッフの対応の雰囲気も、産院を選ぶ際には重要なポイントです。

産院の雰囲気を確認するためには口コミだけでなく、実際に産院に足を運ぶことをおすすめします。診察を受けたり、院内見学に行ってみるのが良いでしょう。

出産後は数日間入院する必要があるので、気持ち良く過ごすために、しっかり確認しておきたいポイントでもあります。

万が一の時の対応

出産は命がけのものなので自然分娩・無痛分娩問わず、万が一の時のことも考えておく必要があります。

特に個人の産院で急に輸血が必要になったときなどは、近くの大病院に運ばれることになります。万が一の時にどこに運ばれるのか、その病院にNICU(新生児集中治療室)はあるのかなど、しっかり確認しておきましょう。

まとめ

日本では無痛分娩がまだ一般的ではありません。しかし、無痛分娩に関わる産医科や助産師などは2年に1回研修を受けるなど、母親と赤ちゃんのためにしっかり知識のアップデートをしています。安全に無痛分娩を行うために、医療スタッフは一丸となって取り組んでいるので、安心して出産に臨めるでしょう。

ただし、現状無痛分娩を取り扱う産院はまだ少なく、希望してもできない場合も多いです。

今回は無痛分娩を扱う産院を選ぶためのポイントも紹介したので、ぜひ参考にして自分の希望に合う産院を選んでください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次