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 子宮口が開かないと無痛分娩はどうなる?出産の流れについた解説

「無痛分娩は子宮口が開かないと、帝王切開になるかもしれないの?」と不安になる人もいるでしょう。無痛分娩は経腟分娩のカテゴリなので、子宮口が開かないと分娩が始まりません。出産予定日を決めている計画無痛分娩では、バルーンなどを使って子宮口を開く処置をすることが多いです。

また、無痛分娩でも帝王切開になる確率は、自然分娩とほぼ変わりません。無痛分娩だから帝王切開になるリスクが高いということはないので、安心してください。

今回は、子宮口が開かないと無痛分娩が始まらない理由や麻酔を注入する目安などを解説します。あわせて無痛分娩の流れや平均的な所要時間なども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

無痛分娩は子宮口が開かないと始まらない

無痛分娩は経腟分娩に分類されるため、赤ちゃんが出てくるための子宮口が開かないと分娩が始められません。

ここでは、子宮口が開かないと無痛分娩が始められない理由などを解説します。

出産方法は経腟分娩

無痛分娩は出産方法で分類すると、経腟分娩のカテゴリに入ります。経腟分娩は赤ちゃんが産道を通って膣から出てくる、昔から一般的な出産方法です。

無痛分娩は経腟分娩中に麻酔を使って痛みを和らげる方法なので、子宮口の開き具合や陣痛の間隔などが出産時にとても重要になります。そのため、無痛分娩でも子宮口の開き具合は、分娩を始めるためにとても重要です。

子宮口が開かないと日をまたぐことも

自然分娩だけでなく無痛分娩でも個人差はとてもあり、数時間で終わる場合や何日もかかる場合があります。

いざ陣痛が始まってもなかなか子宮口が開かず、陣痛が弱まってしまうこともあります。そうしたときは、翌日に分娩を延ばすことも多いです。

陣痛は赤ちゃんのタイミングでもあるので、陣痛が弱く赤ちゃんがおりてこない場合は、様子見をすることも多いです。自然分娩と同じ流れで行う自然無痛分娩の場合は、子宮口が開いておらず陣痛の間隔が広いと、一旦帰宅することもあります。

計画無痛分娩では、出産予定日前日からバルーンなどで子宮口を開く処置をすることが多いです。

無痛分娩を開始する子宮口の開きの目安

無痛分娩で麻酔を注入するタイミングは、多くの場合では子宮口が5cmほど開いた時です。

産院の方針や医師の判断によって麻酔薬を注入するタイミングは異なるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

子宮口が5cm程度開いたら麻酔を注入

無痛分娩で麻酔を注入するタイミングは、子宮口が5cm程度開いたときが多いです。ちなみに、出産時の子宮口全開は10cmになります。

子宮口が5cm程度開く頃には、陣痛は5分間隔ぐらいになり痛みも強くなってきているからです。ただし痛みを感じるのは個人差があるため、医師の判断によって子宮口が3cm程度の開きでも、麻酔を注入し始めることもあります。

あまり早く麻酔が効きくと陣痛を感じにくくなり、赤ちゃんを押し出す力が弱くなることがあるため、できれば子宮口が5cm程度広がってから麻酔薬を注入し始めるのが良いでしょう。

産院や妊婦の状態によって目安が異なるので確認を

産院の方針や妊婦の状態によって麻酔を注入するタイミングが異なるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

出産は個人差が大きく、母体の状態によっては早めに麻酔を効かせた方が良いと判断される場合があるからです。また、子宮口全開の10cmまで痛みを耐えてから麻酔を希望すると、麻酔が効き始める前に赤ちゃんが出てくることもあります。

産院の方針などを、しっかり確認しておくと安心できるでしょう。

無痛分娩の流れ

無痛分娩の流れを把握しておくことで、子宮口を開く処置やその後の進む過程がわかり、心の準備をしておくことができます。

ここでは、大まかな無痛分娩の流れを紹介します。

入院

自然無痛分娩の場合は、陣痛がある程度の間隔になったら産院に向かいます。

計画無痛分娩の場合は、出産予定日の前日に入院することが多いです。そして、バルーンなどを使って子宮口を広げる処置を行います。

麻酔準備

無痛分娩の麻酔方法は、背中から管(カテーテル)を脊髄周りの硬膜外腔に入れる硬膜外麻酔が一般的です。

管を挿入する際は、妊婦は横向きになり体を丸める体勢を取ります。そして、背中の腰辺りに管を入れ、麻酔を注入する準備をします。

管を挿入するところは局所麻酔をしますので、少し痛みはありますが耐えられないほどの痛みはありません。

点滴で陣痛促進剤を投与

計画無痛分娩の場合はまだ陣痛が来ていないこともあるので、陣痛促進剤を使って人工的に陣痛を起こさせます。もし陣痛が弱い場合は、安全の範囲内で追加投与したり、種類を変えたりする処置をされます。

特に麻酔がかかり始めると陣痛が感じにくくなってしまうので、無痛分娩の場合は陣痛促進剤を使うことが多いです。

麻酔薬注入

陣痛促進剤を使って分娩が進み子宮口もある程度広がってきたら、麻酔薬を注入します。

麻酔薬を注入してから効き始めるのは20〜30分程度と言われているため、その間は痛みが引かないと感じることもあるでしょう。しかし麻酔が効き始めれば、楽になったと感じます。

ただ無痛分娩は完全に痛みがなくなるわけではありません。いきむタイミングを計るために、ある程度痛みが残るように調整されます。

痛みがひどいと感じる場合は麻酔薬を追加することもできるので、素直に伝えると良いでしょう。

出産

無痛分娩は下半身のみの部分麻酔なので、母体の意識はハッキリしています。そのため、赤ちゃんが出てくる瞬間を、しっかり確認できます。上半身の感覚は通常通りなので、すぐに赤ちゃんを抱っこすることも可能です。

無痛分娩でも、痛みが少ないだけで自然分娩とあまり変わりません。出産の達成感や感動を、しっかり味わえるでしょう。

産後

無痛分娩の麻酔は、約2時間で切れます。出産後はそのまま分娩室で、2時間は安静にしておく必要があります。

その間に会陰切開をした部分の縫合などが行われますが、縫合時は麻酔が効いているため、痛みは感じないでしょう。

無痛分娩の平均的な所要時間

無痛分娩は自然分娩と比べても、あまり所要時間は変わらないと言われています。

ただ、出産自体個人差が大きいので、参考程度に所要時間を紹介します。

初産婦12~16時間

初めて出産をする初産婦の場合、無痛分娩の平均的な所要時間は12〜16時間と言われています。

初産婦は出産未経験のため子宮口が開きにくいのと、産道が伸びにくいため、赤ちゃんが降りにくくなってしまうからです。

また、初めての出産で力が入りすぎてしまい、産道が狭くなってしまうこともあります。そのため、初産婦は分娩時間が長い傾向にあります。

経産婦5~8時間

出産を経験済みの経産婦は、初産婦に比べると平均的な分娩の所要時間5〜8時間と短いです。

経産婦はすでに産道を赤ちゃんが通った経験があるため、子宮口が柔らかく、開きやすいと言われています。ただし、経産婦でも個人差があります。

無痛分娩で緊急帝王切開になるケース

無痛分娩で緊急帝王切開になるケースは、自然分娩と同じ確率です。

そのため、必要以上に怖がることはありません。

無痛分娩で帝王切開になるケースについて紹介します。

分娩時間が長引き胎児が危険と判断されたとき

無痛分娩の平均的な所要時間は自然分娩とあまり変わりませんが、分娩時間が長引く傾向があります。

それは、麻酔によって陣痛を感じにくく、赤ちゃんを押し出す力が弱くなってしまうため、時間がかかってしまうのです。

分娩時間が長引くと、母体だけでなく赤ちゃんにも負担が大きくなります。あまりにも分娩に時間がかかり、母体と胎児が危険と判断された場合は、緊急帝王切開を行います。

無痛分娩で一般的に使われる硬膜外麻酔は、帝王切開時にも転用して使えるため、そのまま帝王切開の準備に入ることが可能です。

帝王切開になる割合は自然分娩とほぼ同じ

無痛分娩で帝王切開になる可能性は、自然分娩とほぼ同じ確率です。そのため、無痛分娩だから帝王切開になるかもしれないと、必要以上に怖がる必要はありません。

ただ、無痛分娩の場合は分娩時間が長引くことにより、赤ちゃんを出すために吸引や鉗子などの手技を使う確率が、自然分娩より上がってしまいます。出産にはいろいろなケースがあるため、無痛分娩について産院で詳しく説明を受けると良いでしょう。

まとめ

無痛分娩は経腟分娩に分けられるので、子宮口が開かないと分娩を始めることができません。

特に出産予定日をあらかじめ決めておく計画無痛分娩の場合は、前もって子宮口を開くためにバルーンを入れるなどの処置が行われます。

また、無痛分娩の麻酔は、子宮口が5cm程度開いたら注入するケースが多いです。ただし、産院の方針や医師の判断によって麻酔を使うタイミングが異なります。

無痛分娩で疑問に思うことは、産院でしっかり確認すると良いです。無痛分娩に関して理解を深めておけば、出産本番に安心して臨めるでしょう。

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