現在、妊娠中で「ぐーっと押される胎動は、いつごろから感じられるのだろう」「胎動を感じられる時期はいつ?」と気になっている方もいるでしょう。ぐーっと押される感じの胎動は、妊娠中期に感じられる傾向にあります。なかには、妊娠初期から胎動を感じられる方もいます。しかし、胎動を感じにくい人もいるため、胎動を感じられる時期や感じ方は一人ひとり異なるのが特徴です。
この記事では、ぐーっと押される胎動はいつから感じられるのか、妊娠月数ごとの胎動や胎動の種類などを解説します。また、胎動を感じやすい体勢や胎動と性別の関係性などのよくある質問も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ぐーっと押される胎動を感じられる時期
ぐーっと押される胎動を感じられるのは、子宮が大きくなり、羊水の量も増える妊娠5ヶ月目以降とされています。ぐーっと押される胎動は手や足を曲げ伸ばしをしたり、子宮を押したりしているためといえるでしょう。
妊娠月数ごとの胎動
ここからは、以下の妊娠月数ごとにどのような胎動を感じられるのか紹介します。
- 妊娠1/2/3/4ヶ月
- 妊娠5/6/7ヶ月
- 妊娠8/9ヶ月
- 妊娠10ヶ月(臨月)
それぞれ詳しくみていきましょう。
妊娠1/2/3/4ヶ月
妊娠1ヶ月〜3ヶ月目は赤ちゃんが小さいため、胎動を感じることはほとんどありませんが、妊娠4ヶ月目に胎動を感じ始める人はいます。赤ちゃんは妊娠2ヶ月の終わりから妊娠3ヶ月のはじめにかけてお腹の中で手足を動かしたり、羊水の中を泳いだりしていますが、胎動を感じられるのはもう少し先です。
妊娠4ヶ月目に胎動を感じられる場合は、お腹の中でガスや空気が動く感じや、モソモソ・ニョロニョロと何かが動いているような感覚を覚えるでしょう。
妊娠5/6/7ヶ月
お腹がふっくらとし始める妊娠中期にあたる5ヶ月〜7ヶ月目には、ほとんどの人が胎動を感じられます。赤ちゃんは腕や足を曲げ伸ばしできるようになり、筋肉が発達して子宮の壁を力強く押せるようになることから、しっかりと胎動を感じられる人が多いでしょう。
ぐーっと押される感覚のほかにも、ポコポコとした小さな動きや魚が跳ねているような感覚・泡が弾けるような感覚を覚える方もいます。妊娠5ヶ月〜7ヶ月目には赤ちゃんの聴覚が発達してくるため、ママやパパの声に反応して動いたり、外部からの刺激にビックリして胎動がピタリとおさまったりすることもあります。
妊娠8/9ヶ月
妊娠中に最も胎動を感じられるのが妊娠8ヶ月〜9ヶ月です。赤ちゃんの成長が著しい時期であることから、動けるスペースが狭くなります。ぐーっと足を伸ばしたときには、踵の場所が目で確認できる人もいるでしょう。
手足の力が強くなることから、肋骨や膀胱を蹴られて痛みを感じたり、胎動が激しく眠れなかったりする人もいます。
妊娠10ヶ月(臨月)
臨月になると胎動が減ったと感じる方もいますが、以前よりも動けるスペースが限られてくるため、これまでの動きは少なくなり、押したり突き出したりするような動きを感じられるでしょう。
ぐーっと押される胎動を感じやすい人と感じにくい人の特徴
ここからは、胎動を感じやすい人と感じにくい人の特徴を解説します。
胎動は胎盤の位置や出産経験の有無など、さまざまな要因によって感じ方に差が生まれます。そのため、これから紹介する特徴は、参考程度に留めてください。
ぐーっと押される胎動を感じやすい人の特徴
以下に当てはまる方は、胎動を感じやすいといわれています。
- 経産婦の人
- 皮下脂肪が少ない人
- 痩せ型の人
- 羊水が少なめの人
- 日中ゆったりと過ごせる時間が多い人
また、赤ちゃんの位置が子宮の前の方にいる場合や胎盤が背中側にある場合は、胎動を感じやすい傾向にあります。
ぐーっと押される胎動を感じにくい人の特徴
以下に当てはまる方は、胎動を感じにくいといわれています。
- 初産婦の人
- 皮下脂肪が多い人
- 日中仕事や育児をしている人
赤ちゃんが背中側にいる場合や胎盤がお腹側にある場合は、腹壁に赤ちゃんの動きが伝わりづらいことから、胎動を感じにくい傾向にあります。胎動を感じにくい場合は、妊婦健診で赤ちゃんが元気かどうかを確かめてもらうと良いでしょう。
胎動の種類
ぐーっと押される以外にも胎動として、以下の5つの動きが挙げられます。
- グニュグニュ
- ピクピク
- ゴロンゴロン
- グルングルン
- ブルブル
ピクピクという動きは、赤ちゃんがしゃっくりしているときにみられることが多く、妊娠20週ごろから感じられる傾向にあります。ゴロンゴロン・グルングルンという動きは、体を上下に回転したりぐるりと向きを変えたりしているときにみられるのが特徴です。ブルブルは羊水を飲み込んで排出する際にみられる動きとなっています。
そのほかにも、胎動として感じることはできませんが、指を開閉したり、羊水を飲み込んで吐き出したり、あくびをするなどの動きもみられます。
胎動の数え方
赤ちゃんが元気かどうか確かめる方法に、胎動カウントがあります。胎動カウントは胎動を10回感じられるまでの時間を測る方法で、妊娠28週目以降に始めることが推奨されています。リラックスした状態で、左側を下にして時間を測ってみてください。
早ければ15分ほどでカウントし終わることもありますが、寝ているときなどはさらに時間がかかることもあります。万が一、胎動を感じられない場合は、時間を空けて再度カウントし始めるのがおすすめです。
胎動が極端に少なくなったり、1日以上胎動を感じられない場合は、病院へ相談する様にしましょう。
胎動に関するよくある質問
最後に、胎動に関するよくある質問を5つ紹介します。
胎動を感じやすい体勢はありますか?
仰向けや左側を下にして横向きになるシムス体位が胎動を感じやすいといわれています。ただし、赤ちゃんは20分〜40分おきに寝たり起きたりを繰り返しているため、寝ているときは先述した体勢をとっても胎動を感じにくい傾向にあります。
胎動が激しいのはダウン症や発達障害と関係ありますか?
医学的に胎動が激しいからといって、ダウン症や発達障害である可能性は低いといえるでしょう。
ダウン症を含む運動発達障害と胎動との関連について調査をした論文によると、胎動初体験は正常児と比べて約1ヶ月の遅れがあり、胎動が弱かったと答えた方が多かったことがわかっています。同論文によると、ダウン症の子どもを持つ親御さんが胎動を初めて感じられたのは5ヶ月ごろ〜7ヶ月ごろが多く、蹴るような胎動を感じられたのは8ヶ月~9ヶ月ごろだった方が大半だったことも発表されています。
さらに、発達障害と胎動との関係性を調査した論文では、子宮内での発育に遅延がみられる赤ちゃんに関しては、胎動が少ないことが分かったと発表がありました。子宮内での発育に遅延がみられた赤ちゃんは後々、発達障害がみられる頻度が高いといわれています。
ただし、胎動を感じにくい人もいるため、心配な場合は主治医に相談したり、出生前診断を受けたりするのが良いでしょう。
ポコポコとガスが動いている感覚は胎動ですか?
腸の中でポコポコとガスが動いている感覚は、胎動の可能性が高いでしょう。胎動の感じ方は人それぞれですが、妊娠初期の胎動はお臍の下あたりにポコポコとした感覚と例える方が多くいます。
胎動を感じた時にお腹が硬い場合は受診をした方が良いですか?
胎動を感じた際にお腹が硬くなるのは、赤ちゃんが動いたり手足を伸ばしたりした刺激によって子宮収縮が起こっていると考えられます。お腹が硬いと感じたら、安静にして硬さが緩和されるかどうかを確認してみてください。
お腹の硬さが和らぐのであれば、受診は必要ありません。ただし、いつも同じところが硬くなる場合は子宮筋腫を併発している可能性があり、急にお腹がカチカチになって痛みが増強する場合は常位胎盤早期剥離の可能性が考えられます。該当する症状がある場合は、受診をすることが推奨されます。
胎動は女の子と男の子のどちらが激しいですか?
性別によって、胎動の激しさに違いがあるという科学的な根拠はありません。出産を経験した人の中には、女の子よりも男の子の方が胎動が激しかった・女の子の方が胎動が少なかったという人もいます。
しかし、胎動が激しくても女の子が生まれたり、反対に胎動が少なくても男の子が生まれることもあるため、胎動では性別を判断するのは難しいでしょう。
まとめ
ぐーっと押される胎動は、子宮が大きくなり、羊水の量も増えてる妊娠5ヶ月目ごろとされています。ぐーっと押される以外にもグニュグニュ・ピクピク・ゴロンゴロン・グルングルン・ブルブルなどの動きを感じられるでしょう。
なかには、妊娠4ヶ月ごろから、お臍の下あたりでガスや空気が動く感じや、モソモソ・ニョロニョロと何かが動いているような感覚を覚えることもあります。ただし、胎動は胎盤や赤ちゃん位置、皮下脂肪の多さなどによっても感じやすさが異なることから、あまり気負いせず過ごすことが重要です。
ストレスは胎動が少なくなったり感じにくくなったりする要因となるため、妊娠中に胎動が感じられない場合は心配せずにゆったりと過ごすようにしましょう。
心配な場合は、妊婦健診時に赤ちゃんが元気かどうか聞いてみるのがおすすめです。