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出血は陣痛の前兆?緊急度が高い出血や病院へ連絡するタイミングなどを解説

陣痛前に出血をすると「異常な出血ではないだろうか」「病院へ連絡を入れた方が良い?」と不安になる方もいるでしょう。妊娠中の出血は陣痛の前兆である「おしるし」の可能性もありますが、緊急を要するケースもあるため、見極められるようになっておくと安心です。

この記事では、陣痛前の出血やおしるしの特徴・病院へ連絡するタイミング・緊急度が高いケースなどを解説します。緊急度が高い症状なども詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

陣痛前の出血について

陣痛前に出血した場合は、出産が近いサインの「おしるし」である可能性が高いでしょう。ここからは、おしるしについて詳しく解説します。

おしるしの特徴

おしるしの特徴は、以下のとおりです。

特徴詳細
ピンクや赤、茶褐色など
少量〜月経量
粘性あり

おしるしは、子宮壁から卵膜がはがれた際に毛細血管が傷つくことにより生じます。色は個人差が大きく、鮮血のような赤色のときもあれば、ピンクや茶色のときもあります。子宮壁からはがれ落ちた卵膜は、子宮頸管をとおって体外へ排出されることから、少し粘り気があるのが特徴です。万が一、血がサラサラとしている場合には、他の可能性を考えましょう。

出血量は少ないケースが多いですが、月経量ほどの出血がみられる方もいます。おしるしがみられた場合には、粘り気があるか、どれくらい出血をしているかチェックしておくと良いでしょう。

おしるしは必ずみられる訳ではない

おしるしはお産が近づいているサインですが、おしるしが見られないまま陣痛が始まる方もいます。また、陣痛までの時間は一人ひとり異なり、数時間後・数日後にくる方もいます。いつ陣痛がくるかわからないため、気負いせず、いつも通りに過ごすようにしましょう。

陣痛前に出血したときの過ごし方

陣痛前におしるしがみられたら、ナプキンやお産用パッドを当てて過ごします。陣痛が始まったらすぐに入院ができるよう、かかりつけの病院までの交通手段や入院グッズの確認をしておくと安心です。

病院へ連絡するタイミング

病院へ連絡をするのは、痛みを伴う子宮収縮が10分間隔もしくは1時間に6回以上みられるタイミングです。陣痛前の出血がおしるしの場合には、陣痛がくるのを待ちます。子宮収縮の間隔が不規則な場合は、お産が近いサインの1つである「前駆陣痛」の可能性が高いため、上記の間隔になるまで自宅で待機しましょう。

万が一、以下の症状がみられた場合には、緊急性が高い出血である可能性があります。

  • 出血量が多い(生理の2日目ほどの出血量)
  • 出血が長く続いている
  • サラサラしている出血
  • 痛みを伴うお腹の張り
  • 血液の塊が出てきた
  • 破水

これらの症状がみられた場合は、自己判断せず速やかにかかりつけの病院へ連絡しましょう。

緊急性が高い陣痛前の出血

緊急性の高い陣痛前の出血として、以下の6つが挙げられます。

  • 前期破水
  • 切迫早産
  • 常位胎盤早期剥離
  • 前置胎盤
  • 前置血管
  • 子宮破裂

それぞれ詳しくみていきましょう。

前期破水

前期破水とは、陣痛がくる前に卵膜が破れて羊水が体外に排出されることです。羊水は基本的に無色透明もしくは少し白濁しているため、破水だけであれば出血はみられません。しかし、おしるしと羊水が混ざると薄いピンク色となることがあり、大量に出血したと感じる方がいます。

破水かどうかわからない場合には、お手洗いに行き、ニオイを確認してみてください。羊水は無臭もしくは少し生臭いニオイであるといわれています。

破水している場合は、清潔なタオルやナプキン・お産用のパッドを当てて、病院へ連絡を入れましょう。また、破水は赤ちゃんの感染リスクが高まるため、入院前などの入浴は避けると安心です。

切迫早産

切迫早産とは妊娠22週以降、妊娠37週までの間に、早産になりかけている状態を指します。切迫早産は性器からの出血をはじめ、お腹の張りや痛み・破水がみられるのが特徴です。規則的な子宮収縮がみられる方で出血も伴っている方は、切迫早産の可能性があるため、かかりつけの病院に連絡を入れましょう。

切迫早産の要因として、以下のものが挙げられます。

  • 膣や子宮内感染がみられる方
  • 子宮頸管無力症だと診断された方
  • 子宮頸部の手術歴がある方
  • 子宮の奇形がみられる方
  • 以前の妊娠時に早産・切迫早産と診断された方
  • ストレスが多い方
  • 長時間労働をしている方
  • 喫煙をしている方
  • 糖尿病、高血圧などの基礎疾患がある方
  • 多胎妊娠している方

最も多い原因は膣や子宮の感染であるため、妊娠中は清潔な状態を保ち、異常を感じたら受診することが重要です。

常位胎盤早期剥離

常位胎盤早期剥離とは、何らかの原因で胎盤がはがれてしまうことを指します。胎盤がはがれると赤ちゃんに酸素が送られなくなったり、大量に出血したりするため緊急度の高い出血の1つとされています。

常位胎盤早期剥離は妊娠32週頃から36週ごろまでに発症することが多いですが、原因ははっきりと解明されていません。しかし、現段階で以下に当てはまる方は、常位胎盤早期剥離のリスクが高いとされています。

  • 妊娠高血圧症候群を患っている方
  • 高血圧の基礎疾患がある方
  • 子宮内感染している方
  • 喫煙をしている方
  • 子宮筋腫
  • 48時間以上続く破水
  • 交通事故や転倒などによる腹部の衝撃

症状は性器出血のほか、お腹の張り・持続的な腹痛もしくは突発的な強い腹痛・腹壁の緊張が挙げられます。切迫早産と似ている症状が多いため、腹痛が持続的か規則的かをチェックし、持続的な腹痛であれば胎盤早期剥離の可能性が高いといえます。

胎盤早期剥離は母体だけではなく、赤ちゃんにも影響があるため、症状が見られた場合には、速やかに病院へ連絡をしましょう。

前置胎盤

前置胎盤とは、胎盤が子宮口の近くにあり、子宮口を覆ってしまっている状態のことです。受精卵が正常な位置よりも下の方に着床したことで起こるといわれています。

前置胎盤は胎盤がどれくらい子宮口を覆っているかで、以下の4つに分類されますが、全前置胎盤は多量出血のリスクが高いため注意が必要です。

前置胎盤の種類詳細
全前置胎盤子宮口を完全に覆っている状態
部分前置胎盤子宮口の一部分を覆っている状態
辺縁前置胎盤子宮口の端と胎盤の端が接している状態
低前置胎盤子宮口の近くに胎盤がある状態

前置胎盤の特徴は、痛みの伴わない性器出血です。出血に関しては、少量出血が数回続くこともあれば、出血が多いケースもあります。腹痛など、出血以外の症状が見られない場合には、前置胎盤の可能性が高いでしょう。

前置血管

前置血管とは赤ちゃんと胎盤をつなぐ血管が卵膜内や、子宮口の入口もしくはその近くにある状態のことを指し、超音波検査により診断されます。卵膜が破れた際に血管が破綻し、出血するケースが多いため、破水時に痛みを伴わない性器出血が見られた場合には、前置血管の可能性が考えられます。

性器出血が続いたり破水したり、赤ちゃんや母体が危険な状態であると判断された場合には、緊急帝王切開が必要となります。

子宮破裂

子宮破裂は妊娠中に発症することは稀で、分娩中に発症することが多いとされていますが、陣痛前に出血が見られるものの1つです。帝王切開の既往歴や子宮に関する手術を受けている方など、子宮に瘢痕がある方が発症しやすいといわれています。ほかにも、多胎妊娠・羊水過多・胎児異常なども要因と考えられています。

子宮破裂の症状は性器出血のほか、激しい腹痛・腹部の筋肉が硬くなる筋性防御・反跳痛などです。発生頻度は0.02%〜0.1%と低いですが、緊急度が高いため、症状が見られた際は速やかに病院を受診しましょう。

まとめ

陣痛前に出血した場合は、出産が近いサインの1つである「おしるし」の可能性が高いでしょう。おしるしは粘性のある少量〜月経量の出血です。色は鮮血のような赤色だったり、茶色だったりします。粘性が少ないサラサラとした出血は、緊急性が高い可能性があります。

おしるしがみられてから陣痛が始まるまでは数時間〜数日と個人差があるため、それ以外の症状がない場合には陣痛がはじまるまで自宅でゆったりと過ごしましょう。陣痛が1時間に6回以上もしくは10分間隔になったら病院へ連絡をしてください。

陣痛前の出血にはおしるし以外にも、切迫早産や前期破水・切迫早産・常位胎盤早期剥離・前置胎盤・前置血管・子宮破裂などが考えられます。万が一、この記事で紹介した症状がみられた場合には、緊急性が高い可能性があるため、速やかにかかりつけの病院へ連絡しましょう。

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