MENU

無痛分娩は産後の回復が早い?体の回復のために無理は禁物

「無痛分娩は痛みを和らげると聞いたけど、出産後はなにか特別なことはあるのかな?」と、疑問に思う人もいるでしょう。

無痛分娩の効果は出産の痛みを和らげることですが、体の回復が早い傾向があります。そのため、産後すぐに普段の生活に戻ろうとする人もいますが、無理をしてはいけません。産後は無痛分娩・自然分娩変わりなく、安静に過ごす必要があります。

今回は、無痛分娩後の流れや赤ちゃんのお世話に関してを解説します。また、産後の母体の回復期間の産熟期の過ごし方についても説明します。

目次

無痛分娩後の流れ

無痛分娩で出産後は、麻酔が切れるまで安静にしたり、麻酔が切れた後も歩行に危険がないか確認したりと、自然分娩とはことなる流れがあります。他には自然分娩と同じように、後処置が行われます。

ここでは、無痛分娩後の流れについて解説します。

麻酔が切れるまで分娩室で安静

無痛分娩の麻酔は1〜2時間で切れます。そのため出産後は麻酔の管(カテーテル)を抜いても経過観察のため、2時間は分娩室で安静にしている必要があります。

無痛分娩での出産でも体のダメージや疲れがあるので、無理に動いてはいけません。麻酔が切れるまでは足の感覚が鈍くなり、自力で歩くことが困難なので、医師や看護師の指示に従って安静にしていましょう。

自然分娩とほぼ同じ流れで後処置

無痛分娩は出産時の痛みを軽減する出産方法ですが、出産自体は自然分娩とほぼ同じです。

無痛分娩でも赤ちゃんが出るために会陰切開をすることが多く、出産後はその傷の縫合も必要です。無痛分娩では麻酔が効いているので、会陰切開や縫合時に痛みを感じないでしょう。

出産後の処置は自然分娩とほぼ同じ流れなので、麻酔が切れて後陣痛がつらい場合などは、内服薬を処方することもあります。

経過観察

分娩室で2時間ほど安静にしたあとは、部屋に戻ります。その後4時間ほど安静にしたあとに、歩行開始です。

歩行開始の時は万が一のことを考えて、看護師が付き添います。無痛分娩の麻酔は下半身のみの局所麻酔になるので意識はしっかりしていますが、まだ足の感覚が鈍いことがあり、転倒に気を付けなければならないためです。

また、出産後初めてのトイレのときも、看護師が付き添うことが多いです。出産後の経過観察は自然分娩と同様に出血量の確認や、麻酔による副作用などがないかを確認しながら退院まで過ごします。

無痛分娩後の赤ちゃんのお世話

無痛分娩後の赤ちゃんのお世話は自然分娩と変わりはありません。入院中は母親の体に麻酔の影響がないかを含めて、母体の回復が順調か確認しながら過ごします。

ここでは、無痛分娩後の赤ちゃんのお世話について解説します。

分娩直後に赤ちゃんとのスキンシップは可能

無痛分娩は背中から麻酔を注入して下半身の感覚を鈍くする方法なので、母親の意識は分娩中でもハッキリしています。そのため、出産直後でも安全が確認できれば、赤ちゃんを母親の胸に抱っこするカンガルーケアが可能です。

出産直後の母親と赤ちゃんとの肌同士をくっつけるカンガルーケアは、母子の愛着が深まったり、赤ちゃんの不安が和らいだりする効果があると言われています。

無痛分娩でもすぐに赤ちゃんとのスキンシップができるので、希望するなら産院に確認してみると良いでしょう。

授乳はすぐにできる

無痛分娩は麻酔薬を使用しますが、母乳には影響を与えないと言われています。そのため、出産後に赤ちゃんに授乳することが可能です。

特に出産後1週間のうちに出る初乳には栄養だけでなく、免疫物質も多く含まれています。無痛分娩の麻酔は母乳に影響しないため、安心して赤ちゃんに授乳しましょう。

産院によっては退院まで母子同室

無痛分娩の場合は、麻酔による影響がないかを都度チェックしながら退院まで過ごします。出産後は母親の体の回復状態等を確認しつつ、赤ちゃんのお世話をしながら同じ部屋で過ごす母子同室になる産院が多いです。

基本的な赤ちゃんのお世話について指導してもらいながら、母親は体を休めます。授乳の仕方や沐浴のやり方、赤ちゃんの体重変化を記録しながら、退院まで安静にしながら過ごしましょう。

無痛分娩は産後の回復が早い傾向

出産自体とても疲れるものです。赤ちゃんを押し出すためにいきんだり、陣痛に耐えたりなど、かなり体力を使います。自然分娩後に疲労困憊で起き上がれない人もまれにいるほどです。

無痛分娩は陣痛などを和らげるため、痛みに耐えるための体力を温存することができます。そのため、無痛分娩は産後の回復が早い傾向にあります。

ただし、無痛分娩の効果は痛みを和らげることなので、必ず産後の回復が早いわけではありません。

無痛分娩後でも産褥期は安静に

無痛分娩だと産後の回復が早い傾向ですが、出産のダメージは母体に蓄積されています。そのため、無痛分娩でも産褥期は安静に過ごしてください。

産後すぐに普段通り動けそうだと家事を頑張ってしまうと、後で体調不良になる危険もあります。

無痛分娩後の産褥期の過ごし方などについて解説します。

出産のダメージはある

無痛分娩は産後の回復が早い傾向がありますが、母体に出産のダメージが蓄積されるのは無痛分娩も自然分娩も変わりません。

体の回復が早いので産院を退院するまでに体調が良くなり、家事ができそうだと思う人もいるかもしれません。しかし、産後の母親の体は急激な変化があり、安静に過ごすことが推奨されています。

特に産後はホルモンバランスが乱れて、情緒不安定になりやすいです。また、子宮からの出血や骨盤のゆるみからくる不調などが起こりやすくなります。産後は母親の心身ともに変化が激しいので、無痛分娩でも安静に過ごす必要があります。

産後1~2週間は安静に

産後2週間ぐらいまでは、体の回復を優先してとにかく安静に過ごしましょう。

基本は横になって、体を休めてください。そして、授乳などの赤ちゃんのお世話のみに集中できる環境になるようにしてください。赤ちゃんのお世話は深夜もあるので、日中でもできる限り横になれる時間を確保しましょう。

家事に関して家族の協力が難しい場合は、家事代行サポートなどを利用して他の人に家のことを任せるなど、工夫すると良いでしょう。赤ちゃんのお世話に関することや家事に関することは、出産前に家族に相談して決めておくと安心です。

産後3~4週間は簡単な家事から始める

産後3~4週間頃は、徐々に活動できるように体を慣らしていく期間です。この頃に元気になったと思っても、体は回復途中のため無理をしてはいけません。片付けや料理など、少しずつ簡単な家事から始めると良いでしょう。

ただし、疲れたと感じたらすぐに休むようにしてください。体に負担がかかる立ち仕事や長時間の外出は、まだ控えたほうが良いです。

産後1ヵ月検診を産院で受診するときは赤ちゃんの状態だけでなく、母体の回復具合も診察します。車の運転も危ないので、基本は家族に送ってもらったり、公共交通機関を利用したりして、安全に行き帰りをするよう心がけてください。

産後5~8週間かけて徐々に元の生活へ慣らす

産後5週間ほど経ったら、ある程度体の状態は良くなるでしょう。しかしすぐに重たい荷物を持ったり、重労働をしたりするのはよくありません。徐々に家事を増やし、外出なども始めてゆっくりと日常生活に戻りましょう。

産後1ヵ月が過ぎても、まだ体には出産のダメージが残っています。母親の体が妊娠前の状態に戻るまでには、3ヵ月〜1年程度かかると言われています。そのため、産褥期の産後8週間が過ぎても疲れを感じたら、無理はしないようにしましょう。

まとめ

無痛分娩で出産したら、麻酔が切れるまで2時間ほどかかります。麻酔の影響がないかを確認しながら、自然分娩と同じような処置がされ、部屋に戻ります。 

無痛分娩の場合は麻酔が切れてからも、安全に歩行ができるかを確認するため、産後6時間を目安に看護師に付き添いながら歩き始めます。また、初回のトイレでも転倒しないか確認されることも多いです。

無痛分娩は産後の回復が早い傾向ですが、出産のダメージは体に蓄積されています。退院後に動けるからと家事を頑張ってしまうと体調不良になる可能性もあるため、産褥期は安静に過ごしてください。

無痛分娩の効果は出産の痛みを和らげることなので、体の回復を過信せず、赤ちゃんのお世話に集中しながら、産後はゆっくり過ごしましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次