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出産における分娩の流れや子宮口の開き具合などを解説!子宮口が開かない場合の対処法なども紹介

出産を間近に控えている方や現在妊娠中の方で「赤ちゃんを出産するまでの分娩の流れや子宮口の開き具合を知りたい」「陣痛がきていても、子宮口が開かないことがあるのか気になる」という方もいるでしょう。

この記事では、出産における分娩の流れや子宮口の開き具合などを解説します。子宮口が開かない原因や対処法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

出産方法ごとの分娩までの流れ

分娩方法は、以下の3つに分けられます。

  • 自然分娩
  • 誘発分娩
  • 無痛分娩

はじめに、出産方法ごとの分娩までの流れを解説します。

自然分娩

自然分娩とは自然に陣痛が始まるのを待ち、麻酔の投与や吸引などをせずに出産をする方法です。全く医療行為を行わないということではなく、必要に応じて点滴や会陰切開などの処置をすることがあります。

自然分娩の流れは、以下のとおりです。

  1. 陣痛が始まったり破水がみられたりしたら医療機関へ連絡をする
  2. 入院の手続きを行い、部屋もしくは陣痛室で子宮口が開大するのを待つ
  3. 陣痛や赤ちゃんの状態を把握するために監視装置モニターを装着する
  4. 出産が近くなってきたら分娩室へ移動する
  5. 分娩体位をとって出産する

自然分娩は胎児の心拍低下などの緊急性が高い場合や分娩が進まない場合には、緊急帝王切開や誘発分娩となる可能性があります。

誘発分娩

誘発分娩とは、陣痛促進剤を使用して分娩を誘発する方法です。予定日を超えたり、家庭の事情などで自然分娩が難しかったりするときに選択されます。

誘発分娩の流れは、以下のとおりです。

  1. 入院をして内診を行う
  2. 翌日の朝から陣痛促進剤により陣痛を誘発する
  3. 子宮口が開大したら出産する

陣痛促進剤は、経口薬もしくは点滴で投与します。

無痛分娩

無痛分娩は陣痛の痛みを和らげつつ、出産をする方法です。「痛みが苦手」「産後に備えて体力を温存したい」「出産時のリスクを減らしたい」などの理由から、無痛分娩を選択する方も多くいます。

無痛分娩の流れは、以下のとおりです。

  1. 前もって決めた日に入院をする
  2. 子宮口を広げたり陣痛促進剤を投与したりする
  3. 子宮口が3cm〜5cmに開くもしくは陣痛が5分間隔になったら麻酔薬を投与する
  4. 子宮口が開大するのを待つ
  5. 出産が近くなってきたら分娩室へ移動する
  6. 助産師の声かけにあわせていきむ

上記の他にも、自然分娩と同じように陣痛が来てから入院し、麻酔薬を投与する「自然無痛分娩」もあります。

無痛分娩は全く痛みが無いわけではなく、ある程度の痛みや感覚を残すのが一般的です。ある程度の感覚を残すことで、赤ちゃんが産道を通る際に適切なタイミングでいきめるため、自然分娩と同様のお産を経験できます。

出産までの子宮口の開き具合と陣痛の間隔

陣痛が始まってから出産までは、分娩第1期〜分娩第4期に分けられます。

ここからは、分娩第1期〜分娩第4期について解説します。

分娩第1期

分娩第1期は子宮口が10cmになるまでの期間で、潜伏期と加速期・極期・減速期の4つに分けられます。

分娩第1期の子宮口の開きや陣痛の間隔の目安は、以下のとおりです。

期間子宮口の開き具合陣痛の間隔
潜伏期0cm〜2.5cm8分〜10分ごと
加速期2.5cm〜4cm5分〜6分ごと
極期9cmまで急速に開大2分〜3分ごと
減速期9cm〜10cm1分〜2分ごと

分娩第1期は、徐々に陣痛の間隔が短くなり、痛みの程度も強くなるケースが多く見受けられます。一般的に、潜伏期〜減速期までの時間は、初産婦が10時間〜12時間ほど、経産婦が4時間〜6時間ほどかかるといわれています。

分娩第2期

分娩第2期は、子宮口が10cmに開大してから赤ちゃんが出てくるまでの期間を指します。陣痛は1分〜2分ごとの感覚で起こる方が多く見受けられ、子宮が収縮するタイミングにあわせていきむのが特徴です。

しかし、早い段階で力を入れてしまうと、膣や会陰部が切れてしまう可能性があるため注意が必要です。医師や助産師の指示に従い、陣痛がきたタイミングでいきむようにしましょう。

分娩第2期は、初産婦が1.5時間〜2時間、経産婦が30分〜1時間といわれています。

分娩第3期

分娩第3期は、赤ちゃんが生まれてから、胎盤や卵膜・臍帯が娩出されて分娩が終了するまでの期間となります。所要時間は5分〜30分程度といわれており、母体と赤ちゃんの状態によってはすぐに抱っこができる可能性もあります。

分娩第4期

分娩第4期は、胎盤が晩出されてから2時間経過するまでの期間です。産後に子宮収縮不良や弛緩出血がみられる可能性があることから、分娩室で過ごして経過を観察します。

予定日より早く産まれる人の特徴

予定日よりも早く赤ちゃんが生まれる人の特徴は、以下のとおりです。

  • 痩せている人
  • 妊娠中の体重増加が少なかった人
  • 妊娠中の体重増加が著しかった人
  • 妊娠高血圧症候群を患っている人
  • 多胎妊娠の人
  • 子宮の異常がある人
  • 妊娠中に胎盤の異常を指摘された人
  • 早産歴がある人

妊娠中にお腹が張りやすくなるほか、頻尿になる・おりものが増える・胎動を感じにくくなる・食欲が増加するなどの兆候がみられた場合は、出産が近くなっていると考えられます。

予定日より遅く生まれる人の特徴

予定日よりも遅く赤ちゃんが生まれる人の特徴は、以下のとおりです。

  • 初産婦
  • 高齢出産

初産婦や高齢で出産する人は、子宮口が柔らかくなる熟化が起こりにくい傾向にあり、予定日を超えて出産することも少なくありません。

厚生労働省のデータによると、42週を過ぎて出産する「過期産」の割合は、令和元年で0.2%ほどとなっています。そのため、予定日を超過しても42週までに生まれる可能性が高いでしょう。

子宮口が開きやすい人の特徴

子宮口が開きやすい人の特徴は、以下のとおりです。

  • 経産婦
  • 子宮頸管無力症で妊娠中に手術を受けた人
  • 切迫早産の人

経産婦の方で、前回の出産の進みが早かった方は、産院に着く前に墜落産となる可能性があることから注意が必要です。

子宮口が開きにくい人の特徴

陣痛が始まっても以下に当てはまる人は、子宮口が開きにくいといわれています。

  • 陣痛の間隔や強さが一定ではない
  • 赤ちゃんが骨盤内でうまく回れずにいる
  • 産道の軟産道と呼ばれる部分が硬い
  • 子宮内の良性の腫瘍やストレス

それぞれ詳しく解説します。

陣痛の間隔や強さが一定ではない

陣痛の間隔が短くなり、痛みの程度も強くなると子宮口が開いていくのが一般的です。そのため、陣痛の間隔や強さが一定ではない場合は、子宮口が開きにくいといわれています。

陣痛の間隔や強さが一定ではない原因として、以下の2つが挙げられます。

  • 陣痛が始まったにもかかわらず間隔が一定ではない「微弱陣痛」
  • 陣痛の間隔が10分以内になってもお産が進まない「遷延分娩」

分娩が進まない場合は、陣痛促進剤を使う処置をすることがあります。

赤ちゃんが骨盤内でうまく回れずにいる

赤ちゃんが骨盤内でうまく回れずにいるのも、子宮口が開きにくい原因の1つと考えられています。

回旋異常の原因として以下の5つが挙げられますが、分娩前に予測するのは難しいとされています。

  • 骨盤の形態異常
  • 子宮筋腫
  • 低置胎盤
  • 巨大児
  • 低出生体重児

回旋異常により、分娩が進行しなかったり分娩時間が長くなったりした場合は、帝王切開となる場合があります。

産道の軟産道が硬い

赤ちゃんの通り道である産道のうち、軟産道と呼ばれる子宮や膣・子宮頸管が硬い場合にも子宮口は開きにくいといわれています。軟産道が硬いと微弱陣痛や遷延分娩・分娩停止となる可能性があり、お産が進まない場合には帝王切開術にて出産します。

子宮筋腫(子宮にできる良性の腫瘍)やストレスなど

子宮口が開かない原因として、子宮内の良性の腫瘍や子宮頸管の損傷・ストレス・緊張・精神的な不安なども考えられています。

子宮口の開き具合や出産までの進み具合は一人ひとり異なるため、あまり気負いしたり心配したりせずに過ごすことが大切です。

子宮口が開かない場合の対処法

子宮口が開きにくい場合は、以下の3つを試してみてください。

  • できる限り動く
  • 体を温める
  • リラックスする

それぞれ詳しく解説します。

できる限り動く・休む

立った状態で適度に動くことで、子宮口が開きやすくなる可能性があります。動ける場合は、部屋の中や廊下を歩いたり、階段を上り下りしたりしてみてください。

ただし、疲れが溜まると陣痛が弱くなる可能性があるため、陣痛と陣痛の合間にはできる限り休むことも重要です。

体を温める

体を温めて血行を促進することで、陣痛を促進できる可能性があります。また、体を温めるのはリラックス効果が期待でき、痛みを軽減するのに役立ちます。子宮口が開かない場合は、入浴したり、カイロや湯たんぽなどを用いて温めたりしてみましょう。

ただし、破水をして入院した場合は、感染の恐れがあるため、入浴は避ける必要があります。

リラックスする

痛みで緊張したり、体に力が入っているのも子宮口が開きにくい要因のため、できる限りリラックスをすることが重要です。楽な姿勢で過ごすほか、好きな音楽を聴いたり、ゆったりと呼吸をしたりして過ごしましょう。

まとめ

分娩に際して、子宮口が開くまでの時間は初産婦が10時間〜12時間ほど、経産婦が4時間〜6時間ほどかかるといわれています。そして、子宮口が10cmに開大してから赤ちゃんが出てくるまでは、初産婦が1.5時間〜2時間、経産婦が30分〜1時間といわれています。

子宮口が開かない場合は、できる限り動いたり、体を温めたりするのがおすすめです。ただし、子宮口の開き具合や出産までの進み具合は一人ひとり異なるため、あまり無理せず疲れを感じたら休むようにしましょう。

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