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妊娠中の恥骨痛はいつから?原因や対策・痛みを和らげる方法などを解説

現在、妊娠していて「まだお腹が大きくなっていないのにもかかわらず、恥骨に痛みがある」「恥骨の痛みが強くて動くのが困難」「寝返りをするのも難しいほど恥骨が痛い」などと、悩んでいる方もいるでしょう。

妊娠中の恥骨痛は、あまり痛みを感じない方もいれば、妊娠中期や後期から症状がで始める方もいます。また、痛みの程度や感じ方も、一人ひとり異なるのが特徴です。

この記事では、妊娠中の恥骨痛について、原因や対策・痛みの程度・痛みを和らげる方法を解説します。産後の恥骨痛についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

妊娠中にみられる恥骨痛の原因

妊娠中に恥骨が痛くなる原因として、以下の5つが挙げられます。

  • ホルモンの影響
  • 骨盤底筋群の筋力低下
  • 恥骨に圧がかかっている
  • 恥骨結合炎
  • 恥骨周辺の病気

それぞれ詳しくみていきましょう。

ホルモンの影響

恥骨痛の原因の1つに、妊娠中に分泌される「リラキシン」と呼ばれるホルモンの影響が挙げられます。リラキシンは卵巣や胎盤・子宮などから分泌され、靭帯をゆるめて骨盤を広げる役割を持っているホルモンです。

赤ちゃんが産道を通りやすくするために、妊娠2ヶ月〜3ヶ月ごろから分泌されはじめ、産後1ヶ月程度でおさまるため、妊娠初期から恥骨痛がみられる方もいます。

お産に向けてゆるくなった靭帯や広がった骨盤は不安定なため、負担がかかり、痛みが生じている可能性が考えられます。

骨盤底筋群の筋力低下

妊娠中は運動する機会の減少や体重の増加により、骨盤を支えている骨盤底筋の筋力が低下することで、恥骨に痛みを生じる方もいます。骨盤底筋群とは、子宮や膀胱などの骨盤内にある臓器を、骨盤の下の方から支えている筋肉です。

妊娠週数が進むにつれて、子宮や赤ちゃんが大きくなり、羊水も徐々に増加するため、骨盤底筋群に負担がかかります。骨盤底筋群の筋力が低下した場合は、恥骨痛以外にも尿もれや頻尿・痔などがみられることもあります。

恥骨痛と併せて尿もれなどの症状がみられる場合は、骨盤底筋群の筋力低下の可能性が考えられるでしょう。

恥骨に圧がかかっている

大きくなった子宮や赤ちゃんの頭が恥骨を圧迫することにより、痛みを生じるケースも見受けられます。妊娠週数が進むにつれて、恥骨に圧がかかりやすくなるため、妊娠後期に痛みを感じる方が多くいます。

お産が近くなると、赤ちゃんが下がってくるため、痛みを感じる機会が増える可能性が高いでしょう。お産が近いサインとして恥骨痛のほか、不規則なお腹の張りや頻尿・胃の圧迫感の改善・おりものの増加・おしるしなどが挙げられます。

恥骨結合炎

恥骨結合炎も妊娠中に恥骨の痛みを生じる原因の1つです。恥骨の間にある軟骨を挟むようにくっついている恥骨結合と周囲にある筋肉に繰り返し負担がかかると、恥骨結合が炎症を起こします。

恥骨や足に違和感を感じる程度から、刺すような強い痛みを感じることもあり、痛みで歩けない方もいます。

恥骨結合に炎症が起きている場合は、恥骨以外にも以下の部位に痛みがみられるのが特徴です。

  • 足のつけ根部
  • 太ももの内側
  • 下腹部

痛みの程度が強くなってきた・痛くて歩けない場合は、整形外科を受診してみてください。

恥骨周辺の病気

妊娠中の恥骨痛はホルモンや恥骨結合炎だけではなく、病気が原因の可能性もあります。恥骨痛がみられる病気は、以下のとおりです。

  • 鼡径ヘルニア
  • 大腿ヘルニア
  • 閉鎖孔ヘルニア
  • 膀胱炎
  • 尿道炎
  • 子宮筋腫
  • 骨盤腹膜炎

なかでも、子宮筋腫は切迫流産や切迫早産・胎位異常・前置胎盤・常位胎盤早期剝離・妊娠高血圧症候群・前期破水などのリスクがあるため注意が必要です。恥骨の痛みを感じる場合は、筋腫が大きくなっている可能性も考えられるため、主治医に相談するのが良いでしょう。

痛みの程度

痛みの程度は、我慢できるほどの痛みでと表現する方もいれば、鋭い痛み・刺すような痛みと表す方もいます。妊娠中の恥骨の痛みは、以下のように表現されることが多くあります。

  • チクチク
  • ツーン
  • ズキズキ
  • ズーン

痛みを感じる場面も人それぞれで、動いたり立ち上がったりしたときに痛みが出る方や、歩く・寝返りをするときなど、特定の動作時に痛みを感じる方もいます。

妊娠中にみられる恥骨痛の対策・痛みを和らげる方法

恥骨痛の対策と痛みを和らげる方法として、以下の7つが挙げられます。

  • 骨盤ベルトを着用する
  • 寝るときにクッションを活用する
  • ストレッチをする
  • 運動をする
  • 整体やマッサージに行く
  • 姿勢を見直す
  • 蒸しタオルや湯たんぽで温める

それぞれ詳しく解説します。

骨盤ベルトを着用する

骨盤ベルトは、骨盤や恥骨結合を安定させる効果が期待でき、痛みを緩和できる可能性があります。また、骨盤ベルトは恥骨痛の予防や腰痛の予防・改善効果も期待できるため、妊娠中から着用するのが良いでしょう。

ただし、サイズが合っていない場合は、痛みを助長させたり、むくみが生じたりする可能性があるため注意が必要です。骨盤ベルトを選ぶ際は、座ったときにお腹があまり圧迫されないものを選ぶようにしましょう。

産後の体型崩れが心配な方は、妊娠中〜産後まで長く使えるタイプの骨盤ベルトを選ぶのもおすすめです。

寝るときにクッションを活用する

就寝時には、内ももの間にクッションを挟むことで、恥骨への負担を軽減できるといわれています。クッションがない場合は、バスタオルや大きめのタオルを丸めることで代用できます。

また、お腹が大きくなり始めた頃から仰向けで寝ると、子宮が背中の血管を圧迫してしまい、血圧が下がったり気分が悪くなったりする可能性があるため横向きに寝るのがおすすめです。

ストレッチをする

恥骨や骨盤周辺・内ももの筋肉が緊張しているときにも、恥骨が痛むケースも見受けられるため、ストレッチをすることで痛みを和らげられる可能性があります。床に座って行うストレッチと椅子に座って行うストレッチを紹介します。

【床に座って行うストレッチ】

  1. 足の裏を合わせて座る
  2. 背筋を伸ばしたまま、上半身をゆっくり前に倒す
  3. 心地良いと感じるところで10秒〜20秒ほどキープする
  4. 元の姿勢に戻る

【椅子に座って行うストレッチ】

  1. 椅子に座り、両脚を大きく広げる
  2. 骨盤を前方に倒すイメージで、上半身を前に倒す
  3. 10秒キープする
  4. 元の状態に戻る

上記のストレッチを行う際は、背中が丸まらないように注意が必要です。

運動をする

骨盤底筋群の筋力低下が恥骨痛に繋がるといわれているため、妊娠中に軽めの運動を取り入れるのも良いでしょう。骨盤底筋群の筋力を鍛えられる運動を紹介します。

  1. イスに座り、膝にタオルを挟む
  2. テーブルに手をつく
  3. 膣と肛門を締めるように力を入れつつゆっくり立ち上がる
  4. ゆっくり椅子に座る
  5. 10回3セット行う

ゆっくり立ち上がる際は、鼻から息を吸い、口から吐くようにしましょう。座って運動をするのが辛い場合は、以下の運動を取り入れてみてください。

  1. 仰向けに寝る
  2. 膝を立てて、手のひらを床につける
  3. お尻を10秒ほど上げる

運動は体調が良いときに行い、お腹が張る場合は中止しましょう。医師から運動を制限されている場合や体調が優れない場合は、運動は控えることが重要です。

整体やマッサージに行く

ストレッチや運動を行っても痛みが緩和されない場合は、整体やマッサージに行くのもおすすめです。ただし、うつ伏せでの施術やお腹が大きくなり始めてからの仰向けでの施術は、赤ちゃんに負担がかかる可能性があるため避けるようにしましょう。

また、妊娠初期はマッサージを避ける方が良いといわれているため、妊娠中期以降にするのがおすすめです。

妊娠中に整体やマッサージに行く場合は、マタニティ整体やマタニティマッサージのメニューを展開している整体院やサロンを選ぶようにしましょう。

姿勢を見直す

前傾姿勢や重心が左右どちらかに偏っている場合も、恥骨に負担がかかりやすいため、姿勢を見直すことで痛みを緩和できる可能性があります。

立っている間は、背筋を伸ばした状態で腰をやや後ろに反らすと、恥骨への負担を軽減できます。椅子に座る際は、深く腰掛け、背もたれに軽く背中が当たるようにしてみてください。

以下の姿勢は恥骨や骨盤周りに負担をかける可能性が高いため、妊娠中は避けるのが良いでしょう。

  • 足を組む
  • 横座りをする
  • 立て膝

恥骨への負担を軽減するために、あぐらをかいたり、クッションを下に敷いたりするのもおすすめです。

蒸しタオルや湯たんぽで温める

蒸しタオルや湯たんぽ・カイロなどを活用して、内ももや恥骨周辺を温めるのも痛みの緩和に役立つといわれています。温かいお茶などが入ったペットボトルを簡易の湯たんぽとして活用するのも良いでしょう。

恥骨に痛みを感じるときは、股関節や鼠径部・恥骨周辺の筋肉や内ももの筋肉が緊張状態にある可能性が高いため、温めることで緊張をほぐせます。また、お風呂でゆっくり湯船に浸かるのもおすすめです。

まとめ

妊娠中の恥骨痛は、ホルモンの影響や骨盤底筋群の筋力低下、恥骨に圧がかかることによって生じるといわれています。ただし、恥骨結合炎や恥骨周辺の病気によっても、恥骨の痛みが生じるケースもあります。

痛みの程度が強い場合は主治医に相談してみましょう。恥骨結合炎が疑われる場合は、整形外科を受診してみてください。

恥骨痛は骨盤ベルトを活用するほか、クッションを挟む・ストレッチや運動をする・姿勢を見直す・温めることでも緩和される可能性があります。恥骨に痛みがある方は、この記事で紹介した方法を試してみてください。

どうしても痛みが緩和されない場合は、医療機関の受診や整体・マッサージなども検討するのが良いでしょう。

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